2011年01月17日
不耕起播種機に“幅広い”モデル登場
フィンランドの不耕起播種機メーカーとしてリーディングカンパニーとなっているヴィスカン・メタリ社が、従来品より一段と作業幅を広げたモデルを発表している。同社はこれまでスカンジナビア諸国とバルト海沿岸地域のユーザー向けに、作業幅が3mと4mの播種機と肥料散布機を兼ねたモデルを提供してきた。
今回発表されたVM6000型DS『プネウマ』は、その作業幅を6mに拡大したモデルだ。不耕起にも慣行にも対応できて、播種の深さはディスク・コールターの近くのホイールで調節できるのが特徴である。このディスクが地表の植物残渣もろとも溝を切るようになっており、その荷重を40〜175kgの間で調節できる。播種後はバネのついた別のディスクが土を被せていく。
VM6000型のホッパーは容積8000リットル、2.6mの高さまで充填可能となっている。これよりも小型で種子用と肥料用に分割されるタイプのホッパーもある。トラクタの出力は180馬力以上が必要で、オプションには、クロスボード、ディスクハロー、シードパイプカバー、そして小型ホッパーが用意されている。
不耕起農法に関しては農業機械の専門誌『コネヴィスティ』が研究機関と協力して、2006年から試験を続けており、今後の5年間も継続する予定だ。研究者たちは粘土質の農地において、不耕起農法とプラウやカルチを使った慣行農法の実験区を設定し、収穫物の質と量を比較している。研究チームによると初期の不耕起農法の実験結果は、なかなか有望ということだ。

新しい不耕起播種機VM6000型が7月にフィンランド・オクラで開催された農業機械展示会で発表された。
投稿者 eooo01 : 14:22
2010年11月04日
フィンランドの農業機械メーカーの苦境
2010年度のフィンランド国内でのトラクター販売台数は、昨年度の2850台を下回る2500台に留まりそうだ。こうした下落傾向が続く中でヴァルトラ社の市場シェアは45%から55%に伸びている。
今となっては活気のあった1980年代は遠い昔だ。当時、フィンランドの国内市場では最高約1万1000台のトラクターが販売されたものだが、近い将来にそのような活況が戻ってくる見込みはない。2500台の販売数はトラクター業界にとっては踏ん張りどころだろう。
間もなくフィンランドは展示会のシーズンを迎えるが、他のヨーロッパ諸国とは違って屋内会場での統一された年1回の農業機械展示会は開催されない。その代わりに中部地方の2カ所で1〜2週間の間隔を空けて、各製造メーカーが2組に分かれて展示会を開くことになっている。
顧客に2度の旅行を強いるのは、決していい話ではない。この先10年は分裂開催を続けるにしても、結局は1つの展示会に統合されることになるだろう。

泥炭はフィンランドの重要な「作物」。ここでは乾燥を早めるために表層をハローで耕している。
投稿者 eooo01 : 14:57
2010年10月14日
リモコン操作の林業用ハーベスタ
木材の伐採作業は、必ずしも重厚で高価な機械を投入して皆伐するだけとは限らない。多くの山林所有者たちが好むのはもっと軽快な伐採作業であり、若い森の中を機敏に動いて間伐材を掻き集めることなのだ。
こうした声に応えて好評を得ているのが重量4.5t、車体は長さ4.2mで幅2.2mのRCMハーヴェリー社製の小型ハーベスタだ。操作は機械から数メートル離れた位置からリモコン装置で行なう。

ハーヴェリー社のハーベスタ。ほかの機械が入らない森林でも作業できる。
投稿者 eooo01 : 14:30
2010年09月06日
道路工事は農家の仕事
フィンランドでは、国道のメンテナンスを農業者と農業コントラクターが請け負うので、農業機械もそれに対応した仕様になっている。
例えばアヴァント・テクノ社が発売準備中の新しい20馬力の連結式4WDローダーだ。新機種420型は農業と造園業の両方に対応する設計になっており、同社の製品ラインアップの中では220型と520型の中間的な位置付け。積載重量は600kg、積載高さは2.75m、最高時速は12kmとなっている。420型には豊富なオプションやアタッチメントが用意されており、その中には小型バックホーや芝刈り機も含まれている。
道路補修用の大型機械では、スカンジナビア諸国で唯一、家族経営のヴィークマス社が自走式のグレーダー(地ならし機)とプレーナー(路面切削機)を製造している。1982年から世界中で1000台以上を売り上げており、稼動重量は8tから22t。すべての機種は、6WD仕様だ。
この他ではソウキオ社が、トラクタが牽引する設計のプレーナーを販売しており、かなり大きな市場がある。同社の主力製品は1.7〜3.7tだが、6tの大型機種も供給している。フィンランドの典型的なトラクタのサイズは100〜140馬力ほどだが、上記の全機種に多くの引き合いがある。何しろ国内には約40万kmの未舗装のハイウェイがあり、冬が厳しいので常に春と初夏の間に路面を平らにしておく必要があるのだ。

アヴァント社のローダー新機種420型は、長さ2.2mで車高1m、重量は1tとなっている。
投稿者 eooo01 : 12:15
2008年02月06日
泥炭採集のイノベーション
原油価格は1バレル100ドルに高騰、今後も不安定な国際情勢に影響されるだろう。国産エネルギー開発の重要性が、ますます高まっている。フィンランドの場合、国産のエネルギー源は泥炭と木材。これらの資源を利用する技術革新は、まさに日進月歩の勢いだ。量に不足はないので、問題は最も効率的かつ経済的に「収穫」する方法だ。この分野の機械メーカーではヴァポ社が最も有名で輸出販売の実績も最大だが、シェアを完全に独占しているわけでもない。多くの中小企業も、それぞれの技術力を活かして優れた機械を造っている。
その代表的な例がエコフィールド社だ。同社が開発した新型の泥炭ハーベスタは利用者から大好評を得ている。昨シーズンも数種類の試作機がテストされたが、特にEF-45型は徹底した小型化を実現している。フィンランドの泥炭地帯は数百haという規模で広がっているが、そのなかには大型機械では身動きが取れなくなってしまうような、狭い採集場が点在しているからだ。
EF-45型では、泥炭を幅1.2mのチェーンコンベアに乗せて45立方メートルのホッパに格納する。本体のサイズは幅4m、高さ4.5m、長さ8mで、重量は約6t。12輪駆動が可能で、足場の悪い泥炭地でもスタックする危険はほとんどない。オプションで油圧式の車輪駆動も用意されている。メーカー発表によると出力は最低でも88kW(120馬力)。価格は7万ユーロ(約1155万円)から。

エコフィールド社製EF-45型泥炭ハーベスタ。小型でも出力は88kW(120馬力)。狭い泥炭採集場で本領を発揮する。
投稿者 Eooo!事務局 : 16:05
2007年07月18日
農場の悲劇を防ぐ、農業機械の安全対策
フィンランドで、年数の経った農業機械のシャフトに農家が衣服を巻き込まれ、死亡する事故が起きた。無防備に露出したPTOシャフトが危険なことは誰もが承知していることだ。度重なる不幸なニュースに、農業関係者の多くが自分たちの作業の危険性を改めて考えさせられた。
フィンランド農業界での緊急の安全課題は、多数の作業員が古い建物の中で作業していたり、時代遅れの機具を使用していることである。だが、外部からの援助を得る前に、まずは自分でできる確実な危険防止策がある。「作業を急いで行なわない」「適切で安全な作業着と履物を身につける」「空腹や疲労時には休憩をとる」などだ。これは畜産農家や畑作農家にとっても同じだ。大抵の場合、若い農家は自分の父や祖父と同じ作業法を機械的に繰り返す。必ずしも高価とは限らない、最新の作業支援機具や装置で、利用可能なものがあるかなど、考えてもみない。
写真は安全対策機具のひとつ。コンバインやトラクタといった重量のある車輪の交換時に、これまで何人もの農家が死亡したり重傷を負ってきた。このような便利な装置を使えば、そうした農場での悲劇は防げたかもしれない。毎日の農作業にほかのやり方はないものか、あらゆる選択肢を考えてみよう。もっと安全な方法があるかもしれない。

適切な車輪交換装置の使用も、日常の農作業で機具利用がいかに有効かを示す一例だ。極端に言えば、この種の機具のおかげで命拾いをすることもある。
投稿者 Eooo!事務局 : 13:32
2006年07月26日
ベールのこん包と識別マーク
Wrap and stamp
フィンランドの農家はラウンドベールの導入当初から、
すぐにこん包技術を習得した。
これは、多くの国内企業がこの分野の世界最先端技術を持っている
ことに現れている。
フィンランドのNHK社はおよそ5年前 に3次元こん包システムを開発し、
クヴェネランド社と契約を結び「ヴィーコム」ブランドでベールラッパを販売している。
本機のこん包フィルム使用量の削減効果とこん包した牧草の品質向上が
認められ、パリ開催の「シーマ・ショー ’05」農機具見本市に展示された際、
「革新的機械」賞を受賞した。
また、フランス国立農学研究所とドイツ農業協会でもそれぞれ、
この技術の利点について研究している。
この機体の作動法を説明しよう。
3次元ベールラッパは原則的にはフィルムを巻く角度を変えながら
ベールをこん包していく。従来の巻き方ではベールのふちでフィルムの
層が厚く重なって巻かれていた。
他方、このシステムではベール全体にフィルムがより均等に巻かれ、
大切なベールのサイド面にはフィルムは4層巻かれる。
フィンランド企業による革新的な技術開発のもう一つの例が、
エルホ社によるラッパ直装式ベールだ。この機体ではベールラッパの
オペレータがベールのこん包時に、点(・)やダッシュ(―)など
識別用スプレーの線を4色でマークすることができる。
多様なマークの活用法がある。一例が、給餌に最も適切なベールは
どれかを農家が区別できることで、牛の飼育に最善を期すことができる。

3次元こん包システムのベールラッパ「ヴィーコム」によって、
こん包フィルムの使用量が10%から25%減少したという。
投稿者 Eooo!事務局 : 16:36
2005年09月02日
収穫から良質サイレージ作りまでワンステップ
From harvest to quality silage-in one step From Finland
作物の含水率が20%以下になってから収穫し、
水分が14%になるまで乾燥させた後、貯蔵、細断する。
この作業を経てやっと飼料となる。これが北欧で従来行われてきた、
穀物を家畜用飼料にする工程だ。
フィンランドの会社、アイモコートティーンコネパジャ社は、
この多くの段階のいくつかを一度に行い作業機を開発、
一連の生産工程の単純化と低コスト化を実現した。
「マースカS2×2クリムパーバッガー」は、穀類やトウモロコシを粉砕した直後に、
プラスチックチューブの中に送り、パックする。
こうすることで、乾燥やサイロに貯蔵する手間がかからない。
この粉砕とパックが一体となった仕組みには、他にもいくつかの利点がある。
その第1が、農家が含水率の低くなるのを待たずに穀物を収穫できることだ。
これによって穀物が通常より早く収穫できる。
冷涼な気候の土地においても、季節に左右されず収穫できるため、
栽培シーズンを長くすることができる。
第2の利点は、乾燥の手間が要らないことだ。
穀物は気密性のプラスチックチューブに送り込まれる際に、
t当たり3〜5rの酸系防腐剤が加えられる。
プラスチックの直径は、1.2m、1.5m、2.0mの3種。
チューブ一巻きの重量は、それぞれ44kg、51kg、68kg。
これで、全長60mの「ソーセージ」ができあがる。
「マースカS2×2クリムパーバッガー」は、毎時30tの穀物を粉砕し、パックできる。
投稿者 Eooo!事務局 : 17:01
2005年08月17日
水陸両用トラクタ「チキチキバンバン号」

Tractor goes ‘chitty, chitty…’ From Finland

水の上も陸上も自由に走れるトラクタは作れないものか?驚くべきことに、フィンランドのペケイヤ・オイ社は、「ヴァルトラCシリーズ」トラクタに大幅な改良を加え、いわゆる水陸両用トラクタを完成したとしている。それが本当なら、幅広い分野で利用できるはず。
ペケイヤ社が設計したこのトラクタは、標準型の「ヴァルトラ」のタイヤを全てダブルタイヤにし、タイヤの内部に特別なフロートを内蔵している。これなら余計な車幅をとらない。
水上走行時には、機体前面に付けた油圧機構の直径30cmスクリューが使われるが、これは、水中の操舵性を向上させる効果もある。当然ながら、けん引する積載量12tのトレーラーにも浮きが付いている。
水上を走行する際は、積載量は少なくなるものの、それでも6tの荷を積むことが可能だ。

※英国の童話『空とぶくるま(The Magical Car)』(イアン・フレミング著)に登場する陸海空、
思いのままに移動できる万能自動車の名前にかけている
投稿者 Eooo!事務局 : 11:05